第483号 計測機器の校正場所は現場と測定室どちらが良いか
計測機器の校正場所は現場、測定室どちらが適正なのか?
> 当社は、校正の業界で約50年間過ごしてきましたが、お客様からは、現場で校正しい欲しい。引き取って校正して欲しいなど、日頃はお客様の要求実現を基本として校正作業を行っています。
今回は、一度原点に戻って、その計測機器を校正するのにどちらが適正なのかを考えてみることにしました。
実際、このようなお問い合わせを頂くことから、実際、どちらで校正を行ったらよいのか悩まれることの一つだと実感しました。
※ (お客様の計測機器を)実際に使っていない当社が、その答えを出すことは大変難しいことだと思いますので、現場か測定室かを決めていただくときの一助になればと考えます。
まずは、校正場所の定義をハッキリさせます
> お客様の校正場所のご要望などからすると双方に良い面と悪い面とがあるのでは思います。それらから考えられるメリット・デメリットが決める時の参考になるのではと考えました。
まずは、現場と測定室の場所の定義をハッキリさせます。
[定義は次のように考えることにしました]
現場校正 ⇒その計測機器が据え付けられた状態での校正
測定室での校正⇒決められた環境での校正
「現場校正」のメリット・デメリット
> 当社視点になりますが、まずは、現場校正のメリット・デメリットを簡単にまとめました。
確かに、計測機器は温度や湿度など様々な環境が影響するのでメリット①は頷けます。
【現場校正作業のイメージ】
次に、測定室での校正を考えてみました。
「測定室での校正」のメリット・デメリット
> こちらも当社視点になりますが、測定室校正のメリット・デメリットを簡単にまとめました。
計測機器にはそれぞれに性能を測定する条件が決められているので、メリット①のその測定条件で校正ができることはデータから計測機器の良否判断がやり易いと思います。
【当社試験室の一部】
校正場所はどちらがベストとは言い難い
> 今回、校正場所がどちらが良いのか考えてみましたが、結論はどちらがベストとは言い難いと考えます。
対応する規格、計測機器を使用される現場の状況、計測機器を使用されるポリシーなど多くの要因が絡み合ってどちらかを選択されているように感じました。
当社としては、これからも、お客様のご要求に柔軟に対応できるシステムを提供できるようにするのが最も大事なことと再認識しました。
※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。