第486号 機器導入時、バリデーションのIQ、OQ、PQはどのような考え方で実施したら良いのか(その3)
バリデーション(適格性評価)の最後に実施するPQはどのように考えたら良い?
> GMPのバリデーション基準では、適格性評価の最後にPQ:性能適格性評価を実施することを要求しています。
今回は、このPQの進め方をIQ・OQと同様、規格の定義を読み解いてご紹介します。
規格のややこしい定義を理解することは避けて通れない?
> 規格の定義となると小難しくてなかなか具体的な方法が導きだせないこともあるかと思います。
【GMPのPQの定義】
この定義も、聞きなれた定義と思いますが、初めて読むと、何をどうしたら良いのと考え込んでしまうのもうなずけるのではないでしょうか
※ PQの具体的な方法を導き出すには、この定義を避けて通ることはできないので、IQ・OQと同じようにキィーワードを設定して読み解いていきたいと思います。
PQの定義には、4つのキィーワードがあります
> この4つのキィーワードを読み解いて、バリデーションのPQとして何をしたらよいか考えていきます。
当社独自の4つのキィーワードの読み解きをご紹介します
> キィーワード1の読み解きは、「承認された製造方法及び規格」とはどんなドキュメントに記載されているかを考えます。
■ キィーワード1は、皆さんが作成するSOP(標準作業手順書)等に記載されていることが多いと考えます。
即ち、具体例の場合「承認された製造方法」は『2℃』で『中段』に保管すると考えることができます。
このように、関連するドキュメントに記載されている情報から、PQとして実施する項目や内容がはっきりしてくることになります。
キィーワード2:「効果的かつ再現性のある形で機能すること」を読み解きます
> このキィーワード2は、機器の働きや作用を実際に確認することを指しています。
※ このように、キィーワード1、2とも、皆さんが決められたSOP通りに機器が動作することを確認することだと分かります。
キィーワード3:「校正された計測器を使用」を読み解きます
> キィーワード3の読み解きは、測定に使用する計測器に注目しますので
を校正しておけば良いということになります。
■ このように考えると、『PQ』も「IQ・OQ」同様なんだなーと思われる方も多いと思います。
キィーワード4:ドキュメントも重要!
> 文書化は、IQ・OQ同様、実施計画書と結果報告書などを作成します。
当社が提供しています実施計画書の書類名称と目的は、以下のメルマガをご確認ください。
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※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。