第489号 食品製造規格で要求されるキャリブレーション(校正)の重要性
食品製造規格でもキャリブレーション(校正)が重要視されています
前回のメルマガでご紹介しましたように、食品製造規格ではモニタリングに使用される計測機器のキャリブレーションは重要視されているとお伝えしました。
■農林水産省ISO22000解説書では
と記されています。
その理由としましては、チョット小難しい内容ですが
と言われます。要するに、正しい値を示す計測器を使わないと想定外に不良品を作って出荷してしまう恐れがあるということだと思われます。
※なぜ、このようなことが言われるのか、具体的にご紹介したいと思います。
温度計はいつも正しいと思われていませんか
食品製造に使われる設備・装置から分かり易い冷蔵庫を例に重要性を考えてみます。
[業務用冷蔵庫の例]
例えば、冷蔵庫の温度計をモニタリングをしているとします。
皆様の考えの中に、
「毎日変わらずちゃんと表示しているから大丈夫」
「製品購入時の合格書がある」
「値段も高かったから、そんなに誤差は出ないだろう」
「今の時代、計器は故障なんてしないだろう」
・・・と考える方もおみえだと思います。
しかし、長年キャリブレーション(校正)に携わってきた当社から見ますと、ほとんどの計測器には大小さまざまな誤差があり、使用年数が長くなりますと、その誤差は大きく変化していくのが普通です。
※従って、定期的にキャリブレーション(校正)を行い、
計測器が正しい値が表示するようにしておく必要がある、
ということになります。
食品製造規格でのキャリブレーション(校正)の要求
ここでは、食品製造の規格では、どのようにキャリブレーションが要求されているか、代表的な2つの規格でご紹介します。
規格の内容になり、少し堅苦しくなりますが、お付き合いください。
2つの規格とも、青字のように校正(キャリブレーション)を要求されていることが分かります。
※これらの規格には校正(キャリブレーション)の具体的な
方法までは記載されていませんので、概要をご紹介します。
校正(キャリブレーション)のイメージ
温度計のキャリブレーション方法の一例をメルマガで良く使用しますイメージ図を使ってご紹介します。
この校正方法は
1.冷蔵庫の温度計(この場合は測温抵抗体)を取り外し
2.温度センサを冷媒でマイナス温度に制御された恒温槽に挿入して
3.標準温度計と比較測定を行います。
※今回は、キャリブレーションの重要性、規格の要求、具体的な実施方法を当社視点でご説明しました。
次回は、もうひとつ重要なバリデーション(妥当性確認)についてもご紹介したいと思います。
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最後まで、お読みいただき有難うございました。