第498号 恒温槽のバリデーション測定(マッピング)の際の測定位置の決まりはあるのか
食品業界でもバリデーションが注目されてきている
> 今回・前回のメルマガでご紹介している食品関連の方から頂いたお問い合わせは、製薬会社の方から頂くお問い合わせと間違うような内容と感じました。
■ お問い合わせの内容も「バリデーションとは・・・」「どうやったら良いの・・・」の様に漠然とした内容ではなく、食品製造に使用されている設備や装置のバリデーション時の測定位置やポイントなど具体的なものになっています。
※ このようなことから、食品業界においてもバリデーションの実施が注目されていると感じています。そして、バリデーションが注目されるもう一つの要因として、国から要求されているHACCP義務化もあると考えられます。
バリデーション(温度マッピング)での測定位置の決まりはない
> 食品規格が求めるバリデーションでは、CAC(コーデックス・アリメンタリウス・コミッション;食品規格委員会)のガイドラインを参照すると良いと言われています。
CAC/GL69-2008食品安全管理手段のバリデーションに関するガイドラインではバリデーションの概念及び特質は次のように述べられています。
即ち、HACCP計画の要素が有効であるという証拠を得ることと考えます。
■ 従って、食品業界でのバリデーション実施の近道は、HACCPで決めたCCP( Critical Control Point=重要管理点)が確実に危害をコントロールしているということを証明することと考えられます。
※ しかし、お問い合わせのようなバリデーションを実施する際の温度マッピングの測定位置の具体的な内容は決まっていないのが現状だと思います。
温度マッピングの測定位置は使用者の範疇!
> 当社が知る限りでは、恒温槽のバリデーション測定(マッピング)の際の測定位置の決まりはありません。
その理由は、CCP(重要管理点)自体を恒温槽の使い勝手などから、使用者が独自に決めているからと考えます。
温度を何度に設定して、槽内のどの位置に、どのぐらいの大きさのものを、どれぐらい置くなど測定位置に関わる情報が使用者の範疇にあるからです。
※ しかし、適当に決めるのではなく、根拠ある温度マッピングの測定位置を決めて、第三者にもキチンと説明できることも重要だと考えます。
測定位置は業界規格を根拠として決定すると良い!
> 測定位置は、業界規格JTM K 07温度試験層-性能試験方法及び性能表示方法を根拠にして決められたらどうでしょう。
□ JTM K 07 規格の中で、測定位置は次の様に定義されています。
□ 従って、規格からは図のように温度センサを配置することになります。
■ このように、業界規格JTM K 07を根拠として
このような決め方もひとつの方法だと考えます。
※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。