第500号 食品製造では、どんな設備・装置をバリデーションしたら良いか知りたい
どんな設備・装置をバリデーション(妥当性確認)したら良いか
> 食品製造で使用している多くの設備の中から、どの設備・装置の機能(働き・動作)を確認するバリデーションを実施すると決めたら良いのでしょうか?
例えば、
飲食店の場合、食品に付着した細菌によって引き起こされる「食中毒」は常に注意をはらうべきものだと言えます。
この食中毒菌を死滅させる方法は様々な方法があると思いますが、具体的には、消毒や手洗い、加熱といった手法が挙げられると思います。
この中でも、
食中毒菌のほとんどは、ある一定の温度で一定時間加熱し続けることで死滅すると言われていることから、多くの飲食店の場合は加熱処理を実施すると思われます。
■ このように多くの人が普通に想定できることなどから、この加熱処理装置がキチンと動いていることが重要だと考えられると思います。
※ 即ち、加熱処理の温度・時間等の機能を確認する必要があるため、加熱処理装置がバリデーション(妥当性確認)の対象と決めることになります。
義務化になるHACCP規格でも同じ設備・装置がバリデーションの対象になります
> 規格要求の話になりますが、
HACCP規格でのCCP(重要管理点)は、食品の安全衛生を脅かす危害要因を取り除くために特に重要な管理すべき工程のことを指しています。
例えば、
食品の安全性を保つためには、手洗いや消毒はとても重要な工程です。
しかし、これらの管理点をすべて管理することはできるでしょうか?
もちろん管理することに越したことはありませんが、
「従業員の〇〇さんがしっかり手洗いをしたか」「従業員の□□さんは食品に触る前に消毒は行ったか」ということを逐一監視していては、なかなか作業が進みません。
そこで、
数ある管理点の中から「これだけは守ってくれればリスクは大幅に低減することができる」というポイントを見つけ出してCCP(重要管理点)とすることになります。
■ 従って、
HACCP規格(プラン)によって管理しなけれはならないCCP(重要管理点)を保有する設備・装置がバリデーション(妥当性確認)の対象になると考えます。
※ (前項の)飲食店の場合では、加熱処理装置の「温度」「時間」がCCPとなりますので加熱処理装置がバリデーションの対象になります。
実は、食品製造品目毎にバリデーションが必要な設備・装置は公開されています
> ここまでに、バリデーション対象設備・装置を決める考え方を二通りご紹介しましたが、実は、厚生労働省のホームページには、どんな設備・装置をバリデーションしたら良いか公開されています。
□ 厚生労働省の「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書」より、重要管理点(CCP)の工程を37の作成団体から6品目を無作為に選び工程などを調べてみました。
決めかねたときは、厚生労働省のHPを参考にすると良いと思います
> ご存じの様に、
厚生労働省は「基準A」のHACCPに基づく衛生管理、「基準B」のHACCPの考え方を取り入れた衛生管理の実施を義務化しました。
しかし、
どんな設備・装置をバリデーション(妥当性確認)をしたら良いかを考えるには専任者がいないなどの背景もあり、なかなか決めかねるかと考えられます。
現実的には、
そこまで細かく分析しなくても、HACCP規格に基づいた決め方をしていると考えられる厚生労働省のホームページを参考にして決めても良いかと考えられます。
※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。