第514号 流量計前後に短管がついた一体となった状態で校正はできるのか
流量計の短管も入れて校正したいという“なるほど”と思ったお問い合わせでした
> 何故、短管を入れた校正が必要になったのでしょうか
■ 当社へのご要望は、流量計本体のみで校正を行うことで、今回のように短管を含めて校正のお話を頂くことは初めてでした。
※ こんな状況になる(一般的な)理由を考えてみました。
正確な流量測定には短管が影響する
> 流量計で流量測定するには、流量計自体の特性から、正確な流量を測定するための配管テクニックが知られています。
■ このように、直管部も正確な流量測定に影響することになります。
お問い合わせの中の短管は、この直線部の役割を担っていると考えられます。
※ その為、直管部=短管が付いた状態で校正して、直管部の影響を確認することになったと想定できます。
しかし、流量に影響するのは短管(直管部)だけではない!
> 配管テクニックにあるように、直管部の他にも流量計には、現場での取付状態・設置状況で、流量値が変化することが分かります。
そこで、正確に校正するために考えられることは、実際の現場で校正することだと思います。
※ このように、現場で校正することによって、短管だけでなく、そのほかの影響度合いも確認することができると考えます。
バリデーション(適格性評価)では、現場校正が必須!
> 今回は、流量計が話題になりましたが、圧力計とか温度計も同様で現場に据え付いた状態で校正することで設置状態の影響を確認できることになります。
■ 医薬品、食品、バイオなどのGMP等の規格要求で、現場校正が要求されているのは(以下の様な)校正の定義によるものと考えられます。
特に、青字の「製造行為中に使用される計測器」の表記が示すのは、現場に据え付いた状態で校正することと読み解かれ、現場校正が重要なことが分かります。
今回のお問い合わせにつきましても、このような背景から頂いたものと考えると“なるほど”と頷ける感じがします。
※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。