第524号 校正方法の決め方はバリデーションに通じる
記事内容を一部変更しました。2020.9.11
概要は、IQをOQに、OQをPQに修正し、説明内容も一部変更しました。
校正方法を導き出す考え方は適格性評価方法につながります
> 前回のメルマガでは、校正方法を4段階(ステップ)での考え方と校正方法をご紹介しました。
①機器の原理・構造を調査する。
②機器の機能を考える。
③(原理・構造から)機能を実現している方法を特定する。
④機能の表示部を明確にする。(校正の対象になります)
[マグネチックスターラーの校正方法]
■ 今回は、この校正方法がどんな感じでバリデーション(適格性評価)につながるかご紹介したいと思います。
OQ:運転時適格性評価はビーカー使って測定します
> バリデーション(適格性評価)のOQ(Operational Qualification)は、予期した運転範囲で、意図したように作動することを確認することと定義されています。この定義をマグネチックスターラーに当てはめると、今回の使い方ではビーカーの中に攪拌子を入れて回転数を測定することになると考えます。
※ このOQの方法は、校正方法にビーカーを追加することで実現しています。
こうすることで、製造メーカの要求を実現していることが確認できると考えます。
「当社では、無負荷状態での測定と呼んでいます。」
PQ:性能適格性評価はビーカーに水を入れて測定します
> バリデーション(適格性評価)のPQ(Process Performance Qualification)は、承認された製造方法及び規格に基づき、効果的かつ再現性のある形で機能することを確認することと定義されています。OQ同様に、マグネチックスターラーに当てはめると、使用時の条件に近い水の入ったビーカーの中の攪拌子を測定します。
※ この方法は、OQの確認方法で、ビーカーの中に水を入れて測定することで可能になります。
即ち、マグネチックスターラーの使用状態で測定することになります。
「当社では、有負荷状態での測定と呼んでいます。」
GMPバリデーション基準が要求するOQ・PQの確認方法につながりました
> マグネチックスターラーでは、校正方法に加えて、ビーカーとビーカー内に水を入れるという方法で測定することで、GMPのバリデーション基準の求めるOQ:運転時適格性評価、PQ:性能適格性評価を実現できると考えています。
■ このように、校正方法を導き出す考え方は、バリデーション(適格性評価)のOQ、PQの実施方法を意外と簡単にたどり着くことが出来ると考えます。
※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。