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第530号 新規導入した温度キャリブレータで使用条件の温度データを測定しました(その2)

温度キャリブレータ(電気炉)を使って下降過程の温度データを測定しました

> 前回は、温度キャリブレータ(電気炉)を使って、上昇過程の温度データを測定しました。
そのデータからは、約7~8分の短時間で所定の温度で安定して、キャリブレーション(校正)に使用可能になることをお届けしました。

今回は、前回同様の測定の仕方で、下降過程を測定し、温度データの特長をご紹介したいと思います。

□ 測定の方法は、前回と同じ方法で、表示器①(対象機器)と表示器③(標準器)の値を測定しています。
  

※ 測定する温度は、次の2通りで温度の変化がどんな感じになるか調べることにしました。
①150℃で使用していた温度キャリブレータの設定温度を100℃とした時の「150⇒100℃」の下降状態
②①の状態で温度キャリブレータの設定温度を50℃とした時の「100⇒50℃」の下降状態

2通りの温度下降データは大変興味深いデータになりました

  
  

■ 今回の2つのデータの特長
・温度軌跡の形は、下降途中も特別に変わった変動もなく、滑らかな下降カーブを描いている
・安定迄の時間は、思った以上長く、しかも、50℃と100℃では大きな差が生じた
①の100℃設定では、19分かかってキャリブレーション(校正)可能な状態になる
②の50℃設定では、相当長く36分で可能な状態になる

※ これらの測定データから、温度キャリブレータ(電気炉)の中で、どんなことが起こっているか
当社の見方をご紹介したいと思います。

温度キャリブレータの温度制御は昇温時の方が(降温時より)良い

> 今回の測定データから読み取れることを当社視点で考えてみました。

■ 『下降時の温度制御能力<上昇時の温度制御能力』

前回の上昇過程のデータと今回の下降過程のデータから、安定迄の時間を見てみると、上昇過程では50℃あたり約7~8分であったが、下降過程では100℃設定:19分と50℃設定:36分と大幅に安定までの時間が長くなりました。

この状況から、この温度キャリブレータ(電気炉)の能力として、温度を上げる能力は高いが温度を下げる能力は低いと考えられます。

⇒ しかし、温度下降時間はかかるものの、他の能力は現場で実施するキャリブレーション例では、温度キャリブレータ(電気炉)でも多くの作業で十分に使用可能と判断できると考えます。

※ 当社は、この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境においても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。

最後まで、お読みいただき有難うございました。