バリデーション@エヌケイエス株式会社 NKS

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第531 バリデーション(適格性評価)とJTM規格との関係について

バリデーション(適格性評価)作業には、JTM規格を採用することがあります

> JTM(日本試験機工業会)規格は、温度試験槽の性能に関し、国際規格との整合を取りながら実際の運用に即した形で補足した内容で規格化したものと言われています。

■ 日本試験機工業会のホームページには、試験槽関連のJTM規格として、多くの規格が記載されています。

各規格は、以下のように、規格番号・規格名称・参考情報が記されています。
  

他にも、JTMK09、K10、K11、K12で評価方法、表示方法などが決められています。

※ これらのJTM規格は、試験槽を製造するときの試験方法のため、適格性評価などでは、そのまま、現場で活用することは難しいと考えます。

今回は、当社ではどのようにJTM規格を使っているかご紹介したいと思います。

当社はJTM規格の性能試験方法などを採用し、適格性評価作業の手順を決めています

> 現場には、恒温槽(室)、試験槽、保管庫(室)、冷蔵庫など、呼び名は、様々ですが、「適切に断熱された筐体で、その内部の気相空間の温度を加熱、冷却及び循環等の機能により、安定に維持できる槽や部屋(以下「恒温槽」という。)」を保有しており、試験などに使用しています。

⇒ この恒温槽の性能試験方法については、上項のように、日本試験機工業会のJTM規格で規定されており、それに準じた試験方法が広く採用されております。

■ その性能試験方法には、
恒温槽の有効空間内の上下四隅8点と中心点の温度を測定するものとし、任意1点の温度変動、有効空間の任意2点間の温度差の最大値である温度勾配、有効空間の中心と任意1点の温度偏差などがあります。

※ このような性能試験方法などを現場に設置された恒温槽のバリデーション(適格性評価)作業に活用しています。

バリデーション(適格性評価)作業におけるJTM規格の採用例

> 医薬品や医薬部外品などの製造時、製品等の保存(保管)に使用している恒温槽(室)はバリデーション(適格性評価)を実施する必要があります。

■ JTM規格は、この時に適格性評価のOQ(運転時適格性評価)・PQ(性能適格性評価)の具体的な方法や判断基準を決めるときに活用することが多いと思います。

例えば、温度の測定位置を決めるには
性能試験方法の「恒温槽の有効空間内の上下四隅8点と中心点の温度を測定するもの」を採用します。
  

他には、測定位置の温度データを収集する時のタイミングをハッキリさせるために、JTM規格の安定状態の定義を採用することもあります。
  

※ このように、JTM規格には、実際の適格性評価作業に採用できる多くの決め事があります。

JTM規格は、バリデーションの実施計画の根拠にもなり安心できる

> 医薬品・医薬部外品、再生医療等の製品や医療機器の製造の各規格ではバリデーション(適格性評価)が求められています。

そのため、バリデーションの実施計画や実施結果は多くの監査者・審査者等の説明を求められると思われます。

そのような場面でも、計画実施されたバリデーションの方法や基準が業界のJTM規格に基づいて作成することで、その根拠ともなり、少しは安心できると考えられます。

■ このようにバリデーションとJTM規格を関連付けることで、バリデーション(適格性評価)作業の根拠になると当社は考えます。

※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。

最後まで、お読みいただき有難うございました。