第532号 注意したい恒温水槽内の温度変化について
キャリブレーション(校正)などで注意したい恒温水槽内の温度変化があります
> 製薬などの現場では、SOP(標準業務手順書)や製造記録に指示されている管理点等を測定する計測機器をキャリブレーション(校正)する必要があります。
■ そして、この校正時に使用する一般的な恒温水槽には、注意しなければならない温度変化がありますので
今回は、その温度変化を、下図のような実際に近いキャリブレーション(校正)作業で実験しましたのでご紹介します。
こんな風に温度変化したら注意が必要!
> この測定結果は、恒温水槽の温度設定を40℃として、70℃付近の温度から40℃までの温度下降状況を1分毎に測ったものです。
■ 測定結果で注意しなければ温度変化は⇒対象機器(だいだい色)の温度です。
標準器(水色)のカーブはほぼ滑らかな下降カーブを描いているが、同じ恒温水槽内の対象機器の温度は上下に大きくバラついています。
※ 今回の実験結果からは、一例になりますが、このように対象機器の温度が安定しない状態では、高い精度を要求される校正仕様を実現できないことになってしまうと考えられます。
温度が安定しない問題点/理由を想定してみました
> 投込み式恒温装置を使った恒温水槽は温度安定性が高いため、その性能からは、このような温度変化をすることは考え難いと思います。
※ これらの問題の中には、常時再現できないものもあり、なかなかすべてを解決することは難しいと考えられます。
事前に、恒温水槽が思うように動作することを確認することが重要!
> 重要な管理点を測定する計測機器を校正に必要な恒温水槽は、やはり、使用前に、このような温度変化をしないことを確認しておくことが大事だと考えられます。
それは、今回のように、恒温水槽そのものの持つ性能では考えられないことが起こりますので、事前に、校正時の仕様を満足していることを確認しておくことが必要だと思います。
■ 実は、多くの規格で装置のバリデーション(適格性評価)を、使用場所で求めているのも同様な理由だと考えられますので、これらの規格に沿って恒温水槽を確認することも大事なことと考えます。
※ 当社は、この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境においても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。