第535号 校正作業では表示部の値をデータとするのが基本と考えます
校正作業では計測器のどの値をデータとしたら良いか
> 最近の計測器はデジタル機器が主流になり、測定した物理量を表示するのみでなく、外部へ出力したり演算したりする機能などを持っています。
そのため、校正作業のときに、表示値を読むのではなく、外部に出力される値を利用したいと言うことを聞くことがあります。
※ このやり方を校正作業として、実施しても良いのかというお話を伺うことがありますので、今回は関連する規格の校正の定義から校正作業の本質について考えてみたいと思います。
校正作業は表示部のデータを読み取る!
> 校正作業の本質を考えるには、どうしても規格から考える必要があると思います。
少々、堅ぐるしい話になりますがお付き合いください。
折角ですので、色々な規格を確認してみたいと思います。まずは、計量標準から調べてみます。
この規格では、被校正対象である計量器の指示値を読取ることになります。
この規格でも、当該の指示値を読取ることになります。
TSとほぼ同じこの規格も、それに対応する指示値を読取ることになります。
◉ 医薬品製造関連での規格も確認してみます。
この規格では、使用される計測器の表す値と示されています。このことは指示値と読み取ることと考えられます。
この規格でも、示す値と示されています。前の定義と同様、指示値を読み取ることと考えられます。
※ このように、今回取り上げた規格からは、校正作業時は、計測値の指示値を読取るということになると考えます。
ところで、指示値とは何を指すのでしょうか
> 校正の定義同様、指示値とは何のことかを規格で調べてみることにしました。
※ このように、指示値とは、今回のテーマに取り上げたデジタル計器の場合、表示値と呼ばれていることが分かります。
結論:やっぱり表示値を読み取ること
> 今回は、代表的な5つの規格の校正の定義とJISの計測用語を調べてみました。
■ そこから見つけられた結論は、校正作業では表示部の値をデータとするのが基本ということになると考えます。
※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。