バリデーション@エヌケイエス株式会社 NKS

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第544号 バリデーションにおける校正(キャリブレーション)の考え方

バリデーションでの校正はどのタイミングで行ったら良いか

> 最近、社内外から、バリデーション(適格性評価)を実施するとき、校正(キャリブレーション)はどのタイミングで実施したらよいか分かりにくいという声をお聞きします。

■ 平成7年に発布されたバリデーション基準(旧バリデーション基準)での要求
  

このように、校正は「1設備の据付時における設備の適格性の確認」と「3稼働性能適格性の確認」の間で実施すれば良いことが明確になっています。

※ 従って、分かりにくくなったという声がでるのは、バリデーション基準が新しくなったことで、校正のタイミングが分かりにくくなったと言えると考えられます。

分かりにくくなったバリデーション基準の校正の要求とはか

> 平成25年8月30日に薬食監麻発0830第1号として厚生労働省より発布された「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令の取扱いについて」でのバリデーション基準には、校正のタイミングが明記されていません。

■ 校正に関わる要求は
  

としか記載されていません。
これでは、何をどのタイミングで校正したら良いか分からないも頷けるとこです。

※ この規格要求の求めていることを考えることで、バリデーションにおける校正の位置づけを探ってみたいと思います。

バリデーションでの校正は2つの側面があります

> バリデーション基準の要求に沿って校正を実施しようとすると、「測定に使用する計測器の校正」と「設備・システム又は装置に付帯する計測器の校正」の2つの側面があります。
  

このように考えると、新のバリデーション基準が、旧のバリデーション基準の別表1の順番の様に現わせないことも頷けます。

2つの側面があるりで校正のタイミングが分かりずらい!

> 2つの側面をまとめてみると・・・

[側面1]IQ・OQ・PQで使用する計測器の校正(JISの定義に基づく校正)
[側面2]設備・システム又は装置に付帯する計測器の校正(GMPの定義に基づく校正)

新のバリデーション基準では、この「側面1」「側面2」を表現するために、IQ・OQ・PQの段階で「校正された計測器を使用すること」と記されることになったのではないかと当社は推測しています。

■ このように考えると、校正のタイミングは、IQ・OQ・PQそれぞれの実施前に終わっておくと理解しておくのも良いかなと当社は考えています。

※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。

最後まで、お読みいただき有難うございました。