第587号 輸送バリデーションの考え方と進め方
輸送のバリデーションの考え方や進め方を知りたい
> 「製品を輸送することになったが、輸送バリデーションの経験がなく、どのように実施したら良いか分からない」と言ったお問い合わせを頂きました。
■ 輸送バリデーションを要求している医薬品の適正流通基準であるGDP(Good Distribution Practice)には
“外装又は包装に記載された保管条件が輸送中も維持されていること”や
“どこで温度管理が必要とされるかを決めるために、輸送ルートのリスクアセスメントを用いること”
などと記載されているだけで、輸送バリデーションをどのように考えて、実施したら良いか分かりにくいと考えられます
※ そこで、今回は、輸送バリデーションの当社なりの考え方などをご紹介したいと思います。
最初に、輸送バリデーションの考慮点を検討します
> 輸送バリデーションを実施するには、まずは、次の考慮点毎に輸送上考え得る温度変動などのリスクを洗い出します。
※ 実際の輸送バリデーションでは、ここで明らかになったリスクが生じる可能性をひとつひとつ確認することになります。
輸送バリデーションの3つのステップ!!
> 輸送バリデーションは、①計画書の作成⇒②測定の実施⇒③報告書の作成というステップで進めることができます。
※ この3つのステップを進めることで、製品に決められた保管条件が輸送中も維持されていることが確認することが出来ると考えます。
トラック輸送での測定の具体例をご紹介します
> 医薬品を専用便のトラックで輸送する時の測定位置例になります。
この例では、「温度」「振動」「温湿度」を測定しています。
※ 「温度」「振動」の測定位置について
温度は、温度が上昇しやすい積載品の中心付近を測定しています。
振動は、振動が大きくなる荷台後方を測定しています。
最後に、測定の結果からの評価例をご紹介します
> この例での輸送バリデーションでは、登録ドライバーが入力した輸送記録を基に、それぞれの項目について測定した結果から評価を行います。
※ 今回は、GDP規格が求める輸送バリデーションを実施するために、当社での考え方と進め方と具体例も一緒にご紹介しました。
こうすることで、予防策が予期される危険を回避していることをキチンと確認できると考えます。
▼ 輸送バリデーションについても、コチラからご相談していただくこともできます。
※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。