第590号 GMPとバリデーションの関係について
GMPとバリデーションは一言で分かりやすい説明が難しい
> 当社では、会場型セミナーや動画配信セミナーを通じて、現場視点のバリデーションやキャリブレーションの考え方や進め方をご紹介しています。
■ そのセミナーに参加いただいた方から、GMPとバリデーションの関係をついて説明して欲しいとのお問い合わせを頂きましたが、この二つを一言で分かりやすく説明するのはとても難しいものと考えます。
※ 今回は、GMPとバリデーションそれぞれをご説明し、その関係をご紹介できればと思います。
GMPは、「安全」で「衛生的」であり、「一定の品質」を保つ工場を造る際の基準
> 最初は、少々小難しいGMPをご紹介します。
GMPとは、医薬品および医薬部外品の製造工場の製造管理、品質管理の基準のことです。
Good Manufacturing Practiceの略で、アメリカ食品医薬品局が定めた製造品質管理基準を世界保健機関(WHO)が制定し、その基準に準じて厚生労働省より厚生労働省令(GMP省令)として規定されました。
■ その内容は、原材料の入荷から製造、最終製品の出荷に至るすべての過程において、製品が「安全」に作られ「一定の品質」が保たれるよう定められています。
このように、GMPは製薬工場に求められている工場の基準になるものと考えられます。
次は、バリデーションをご紹介します。
バリデーションについて
> 厚生労働省のGMP規定によれば、バリデーションは「あらかじめ決められた規格と品質に合致する製品が恒常的に製造されることを高度に保障し、それを文書化すること」と定義されています。
つまり、バリデーションとは、製造設備や製造工程、製造方法が目的とする品質に適合する医薬品を恒常的に製造できることを科学的に検証し、保証することとなります。
■ わかるようで、わかりにくいですから、単純に言葉を言い換えてみます。
製造設備が、目的とする医薬品を製造するのに、最適な設備であるか検証する。
製造方法が、目的とする医薬品を製造するのに、最適な条件であるか検証する。
製造使用されるユーティリティーが、目的とする医薬品を製造するのに、最適な品質であるか検証する。
製造環境が、目的とする医薬品を製造するのに、最適な環境条件であるか検証する。
製造設備が、目的とする医薬品を製造するのに、適切に洗浄、減菌できるか検証する。
※ 検証についてはこのように言うことが出来ると考えます。
GMPとバリデーションには深い結びつきがある
> GMPとバリデーションの関係を、バリデーションの流れから見てみたいと思います。
■ 一例として、適格性評価の流れの概略は以下のようになります。
⇒ この一連の評価、検証、保証といったバリデーションプロセスにより、品質管理、製造管理が徹底され、恒常的に品質に適合する医薬品の製造が可能となります。
※ このように、GMPとバリデーションの関係はGMPが求める一定の品質を保つために、バリデーションを実施すると言えると考えます。
▼適格性評価などのバリデーションについても、コチラからご相談していただくこともできます。
※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。