第591号 GDPガイドラインの要求内容(温度マッピング、輸送バリデーション)の実現
GDPガイドラインの要求内容の実施率が低い?
> 当社にはGDPガイドラインでは何を実施したらよいのかというお問い合わせを頂くことがあります。
このようなお問い合わせを頂く背景には、GDPに関連するシンポジウムや業界誌の情報によると、ガイドラインの要求内容の実施率が低いことがあると考えられます。
しかし、当社ではガイドラインそのものをご紹介することが出来ませんので、今回は、当社視点になりますが、現場でGDPガイドラインが要求する作業についてお届けしたいと思います。
※ 最初は、温度マッピングをご紹介します。
ここでは「日本版GDP」と「PIC/S版GDP」という言葉を使っていますが、平成30年12月28日事務連絡の医薬品の適正流通(GDP)ガイドラインが「日本版GDP」、平成29 年3月29日PIC/S GDPガイドライン日本語訳案が「PIC/S版GDP」になります。
温度マッピングの要求と実施について
> 温度マッピングは、日本版GDPガイドラインにもPIC/S版GDPガイドラインにも同じように要求されています。
■ この2つのGDPで要求される倉庫等での温度マッピングの実施例をご紹介します。
この例では、リスク分析の結果、壁面の内側の温度変化が大きいということで、壁面9点・中央1点の①~⑩の位置で、上中下段の温度を測定しています。
※ 次は、輸送バリデーションをご紹介します。
輸送バリデーションの要求と実施について
> 輸送バリデーションも、日本版GDPガイドラインとPIC/S版GDPガイドラインには、ほぼ同じように要求されています。
■ 2つのGDPが要求する輸送バリデーションの例として、医薬品をトラックで運ぶ場合の測定位置例をご紹介します。
温度測定位置は、温度が高くなりそうな①~⑥の積載品中央付近に設置しています。
その他、⑦⑧の室内の前方・後方にも設置しています。
温湿度については、⑨⑩の室内中央と社外を測定し、振動については、振動が大きそうな室内後方Aを測定しています。
この様に測定したデータを分析することで、輸送ルートのリスクアセスメントが可能になると考えます。
※ 今回は、日本版GDPガイドラインとPIC/S版GDPガイドラインが同じような要求になっていることと、その規格要求に対応した温度マッピングと輸送バリデーションの概要をご紹介でき出来たことで、実施率の改善に少しはお役立てたのではないでしょうか。
次回も2つのGDPガイドラインで重要な「校正」と「バリデーション」についてご紹介したいと思います。
▼温度マッピング、輸送バリデーションの詳細は、コチラからご相談していただくこともできます。
※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。