第592号 GDPガイドラインの要求内容(バリデーション(適格性評価)と校正(キャリブレーション))の実現
「バリデーション(適格性評価)」と「校正(キャリブレーション)」について
> 前回では、GDPガイドラインが要求する「温度マッピング」「輸送バリデーション」についてお届けすることが出来ましたので、引き続き、「バリデーション(適格性評価)」と「校正(キャリブレーション)」をご紹介します。
規格要求を実現するために現場では何をすればよいのか。みなさんのヒントになればと思います。
記事の中では、「日本版GDP」と「PIC/S版GDP」という言葉を使っていますが、前回と同様、平成30年12月28日事務連絡の医薬品の適正流通(GDP)ガイドラインが「日本版GDP」、平成29 年3月29日PIC/S GDPガイドライン日本語訳案が「PIC/S版GDP」になります。
※ 最初は、適格性評価及びバリデーションをご紹介します。
適格性評価及びバリデーション要求と実施について考えます
> バリデーション及び適格性評価は、日本版GDPガイドラインにもPIC/S版GDPガイドラインにも下記のように同じように要求されていることが分かります。
■ この2つのGDPで要求される製品保管等での適格性評価実施の流れをご紹介します。
適格性評価は、(Ⅰ)設計時適格性評価(DQ)⇒(Ⅱ)据付時適格性評価(IQ)⇒(Ⅲ)運転時適格性評価(OQ)⇒(Ⅳ)性能適格性評価(PQ)と順次進めることになります。
その時、各評価作業はそれぞれの段階毎に作成された(A)計画書に基づいて実施する必要があります。
そして、各段階で使用される計測機器は(B)校正されていることも重要な要件になります。
※ 次は、校正(キャリブレーション)をご紹介します。
校正(キャリブレーション)の要求と3つの実施方法について
> 校正(キャリブレーション)も、日本版GDPガイドラインとPIC/S版GDPガイドラインには、ほぼ同じように要求されています。
校正間隔において、「要求精度」が「信頼性評価」とPIC/S版GDPの方が、範囲が広いことには注意が必要だと考えられます。
■ 2つのGDPが要求する校正(キャリブレーション)では、一般的には3つの方法が使用されます。
①まず1つ目は単体校正(キャリブレーション)です。
オレンジで囲われた各機器単体をキャリブレーションします。
②2つ目は『模擬ループキャリブレーション』です。青色の枠の部分になります。
『機器の単体誤差+配線誤差』を含んだ表示の確認となります。
③3つ目のループキャリブレーションです。この緑色の部分になります。
『計器単体の誤差+配線+温度センサ』を含んだ表示の確認となります。
※ 前回と今回のメルマガで、2つのGDPガイドラインの要求と現場での実施の仕方などについてご紹介できました。
規格要求に対応した「温度マッピング」「輸送バリデーション」「バリデーション(適格性評価)」と「校正(キャリブレーション)」の概要をお伝えしたことで、今後、規格要求の実施率の改善につながれば幸いです。
▼「バリデーション(適格性評価)」と「校正(キャリブレーション)」の詳細は、コチラからご相談していただくこともできます。
※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。