第595号 改正GMP省令の変更点・追加点と現場での対応について【その2】
改正GMP省令での現場から見た変更点・追加点とその考慮点
> 前回は、新旧のGMP省令を見比べて、現場視点の変更点・追加点を探し出し、その考慮点について、当社独自の考察「No.1」「No.2」をご紹介しました。
※ 今回は、同様に、No.3、4、5をご紹介したいと思います。
最初は『No.3 :IQに「設備」と言う言葉が付かなくなった』を考えます
> 改正GMP省令では、適格性評価の実施項目のひとつのIQ: Installation Qualificationにおいて、「設備」据付時適格性評価が据付時適格性評価と「設備」と言う言葉が付かなくなりました。
■ 設備と言う言葉が取れただけで、実質的な変更点は無いように思われますが、現場においてはIQはクリーンルームとか精製水製造装置などの設備の据付に対してに要求されていましたが、計測機器の単体を取り付ける、取り替えるだけでもIQを実施するというケースが見受けられるようになりました。
※ 確かに、設備に付帯する計測機器の1台・1台は製品の品質に大きく影響すると考えられますので、取付時、変更時には適格性評価を実施するという考えは納得できるところです。
次は、バリデーション計画書のセットになる報告書に関する追加要求をご紹介します。
『No.4 :報告書に記載する内容が決められた』を読み解きます
> 改正GMP省令では、『バリデーション報告書には、次に掲げる事項のうち該当するものについて記載するものであること』と要求されました。
■ 何故、このように報告書の内容がキチンと決められたのでしょうか
今までの報告書も、計画書通りに作業を実施して報告書を作成することになるわけですので、誰もが計画書の内容に沿って作成されていると想定できます。
しかし、本当にそうなっているかは担保できないのが現実ではなかったのではないでしょうか。
※ このように、報告書の記載内容がキチンと決められたことで、報告書の作成者も確認者も迷いが少なくなると思いますので、最低限でも、報告書の記載内容は明文化された要求内容を加味する必要があると考えます。
最後は『No.5 :製造・品質関連業務の外部委託には外部委託先の管理が必要』を考えました
> 改正GMP省令には、外部委託業者に委託しうる製造・品質関連業務としては、試験検査のほか、多くの業務が記載されていることからも分かります。
このことは、製薬業界での販売業、製造業の分離などもあり、外部委託の範囲が広くなってきたことと考えられ、キチンとした外部委託先の管理が重要になってきたと考えます。
■ 現場で実施するバリデーションやキャリブレーションも製造・品質関連業務に相当し、その業務の適正及び能力では、手順・力量・測定器のトレーサビリティが重要だとも言えると考えています。
当社では、これらをキチンと管理できる外部委託先は、社会的な独立性や専門性が重要とも言えると考えます。
※ 前回、今回で、新旧のGMP省令の5つの変更点・追加点と考慮点について、当社独自の視点で考察しましたことをご紹介てきました。
▼ 改正GMP省令についての現場視点の詳細は、コチラからご相談していただくこともできます。
※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。