第602号 GMPにおけるキャリブレーション(校正)実施時の調整の考え方について
基準値とのずれ調整はどう考えればいいのか?
> 当社には、時折、キャリブレーション(校正)実施時の「基準値とのずれ調整」のタイミングについて、お問い合わせを頂くことがあります。
例えば、
①判定基準値を超えたら調整を行う
②それとも、判定基準値の一定割合を超えた場合は例え判定基準値内であっても調整を行う等々
■ やはり、調整の実施は作業量が増えることで、コストにも大きく影響する場合もあり、皆さんの悩みどこになっているかもしれません。
※ 最初に、関連する規格ではキャリブレーション(校正)と調整について、どのように言っているか調べてみました。
JISでは、キャリブレーション(校正)に調整を求めていない
> ご存知のように、JISでは校正に調整は含まないと決められていました。
■ 従って、キャリブレーション(校正)と調整はセットで考えるものではないと思われます。
※ では、GMPではどのようになっているのでしょう
GMPも、キャリブレーション(校正)に調整を求めていない
> GMP事例集のGMP2-6(計器の校正の定義)の問いと回答になります。
■ このように、GMPにおいてもキャリブレーション(校正)と調整はセットで考えるものではなく、校正は校正、調整は調整として考えるものと思われます。
※ これらのことから、調整はどのように扱ったら良いか考えてみました。
調整の実施については、使用者が次回の校正時のリスクを見据えて判断すること
> それでは、調整は①②どちらが良いのでしょうか。
⇒ (それは)次回キャリブレーション(校正)実施時のリスクを考えることになると思います。
■ 一般的に、GMPでのキャリブレーションは、設備の運転開始前に実施され、運転終了時に、再度、同じ方法でキャリブレーションを実施して測定値が判定基準値内かどうかを確認します。
この時、もしも、基準値とのずれが判定基準値外となると、その期間内に製造した全ての製品の品質を保証することが困難になってしまいます。
⇒ このように考えると、運転終了時に判定基準値外になりにくいように、運転開始前になるべく基準値とのずれを小さくしておくことがリスク回避になると考えられます。
※ 従って、リスクマネジメントの結果で、基準値とのずれを調整するかどうかは使用者の判断になると考えられます。
▼ キャリブレーション(校正)の課題も、コチラからご相談していただくこともできます。
※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
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