第612号 バリデーション(適格性評価)での3つのキャリブレーション
予測的バリデーション時のキャリブレーションは3種類ある?
> 今回は、お客様からお問合せいただく製品の商業生産を開始しようとするときに実施される予測的バリデーション時の「3種類のキャリブレーション」についてご紹介します。
当社では、この3種類のキャリブレーション(校正)を次の様に呼んでいます。
- ➀ 単体校正(キャリブレーション)
- ➁ 模擬入力校正(模擬ループキャリブレーション)
- ➂ 実入力校正(ループキャリブレーション)
ここでは、それぞれのキャリブレーションがどんな時に、何のために実施されるのかをご紹介します。
3つのキャリブレーションのイメージです
> 現場で使用されているキャリブレーションの対象となる計測器の現場での状態を示したイメージ図になります。
この図で、3つのキャリブレーション(校正)の概要をご紹介します。
- ❶ が「単体校正(キャリブレーション)」です。
- ❷ が「模擬入力校正(模擬ループキャリブレーション)」です。
- ❸ が「実入力校正(ループキャリブレーション)」です。
オレンジで囲われた各機器単体をキャリブレーションします。
ブルーで囲われた『表示機器単体(誤差) + 計装配線(誤差)』を含んだ表示の確認となります。
グリーンで囲われた『表示機器単体(誤差) + 計装配線(誤差) + 温度センサ(誤差)』を含んだ表示の確認となります。
次に、この3つのキャリブレーションが「どんな時に」「何のために」実施するかを考えてみます。
それぞれのキャリブレーションには明確な役割があります
> キャリブレーションの種類ごとに記します。
キャリブレーションの種類 | どんな時 | 何のため |
---|---|---|
➀ 単体校正 (キャリブレーション) |
据付時適格性評価 (Installation Qualification:IQ)実施時 |
機器がキチンと据え付けられていることを機器単体で確認する |
➁ 模擬入力校正 (模擬ループキャリブレーション) |
据付時適格性評価 (Installation Qualification:IQ)実施時 |
機器および計装配線がキチンと据付、接続されていることを模擬信号を使ってループで確認する |
➂ 実入力校正 (ループキャリブレーション) |
運転時適格性評価 (Operational Qualification:OQ)実施前 |
運転時に計測器が正しく表示することを確認する |
バリデーション(適格性評価)の実施では3つキャリブレーションが分かり易い!
> このように、バリデーション(適格性評価)を実施するには、3つのキャリブレーションを使い分けるとやり易いと思います。
■ それぞれのキャリブレーションの役割がハッキリすると具体的にどんな校正仕様で実施したら良いかが見えてくることになります。
※ 次回には、実際のキャリブレーション作業に近い校正のやり方などについてご紹介したいと考えます。
▼ キャリブレーションの詳細はコチラからご相談していただくこともできます。
※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。