第618号 医薬品の適正流通基準(GDP)における温度マッピングの現状について
倉庫などの保管設備の環境管理には課題がある?
> ご存知のように、GDP医薬品の適正流通基準(Good Distribution Practice)では温度マッピングが要求されています。
■ 日本版のGDPには次の様に要求されています。
3.3 温度及び環境管理
3.3.2 保管場所の使用前に、適切な条件下で温度マッピングを実施すること。
PIC/SのGDPも同様な要求になっています。
※ この規格要求を実現するために、現場においては、温度マッピングが実施され倉庫などの温度管理をされていますが、当局の査察では、その管理の仕方について多くの指摘がされているのが現状の様です。
査察事例をご紹介します
> 2つの査察の事例から当社視点での現状を考えてみました。
①モニタリングの不備
▼指摘内容
⇒ GDPにおいては、温度マッピングと温度モニタリングの2段階で温度管理することが重要であると認識されていないようです。
②マッピング時期の不備
▼指摘内容
⇒ 一般的に、保管施設は外気の影響をうけるとされていますので、春とか秋の気候ではモニタリング箇所などが明確にならない場合もあると考えられます。
そのため、温度マッピングは夏季と冬季に実施することが推奨されています
※ 現在、当社へのご依頼が増加している理由としては夏場のマッピングは終わって、次来る冬場でのマッピングの準備のためと思われます。
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温度マッピングは「定期的な実施も検討」されています
> 温度マッピングは倉庫などの使用開始前に実施されていますが、多くの場面で定期的なマッピングが検討されるようになってきています。
■ 施設の設備機能は空調能力の低下など経年変化が生じる可能性があるため定期的に実施することが検討されています。当社の見聞しているところでは、1~3年間ごとに実施している企業が多いようです。
そして、保管施設のレイアウト変更や空調システムの変更など、温度分布に影響すると考えられる変更を実施する場合には、そのたびごとに温度マッピングが必要と考えられます。
※ このように、倉庫などの環境の維持管理には、必要な場面で温度マッピングなどの実施が重要であると考えられます。
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最適な温度モニタリングも提案してします
> ここからは、温度モニタリングシステムのご提案になります。
保管施設の温度管理は基本的には、1)温度マッピングと2)温度モニタリングという2段階で実施されることになりますが
⇒ 温度マッピングがキチンと実施されていても、査察の指摘にあるように温度モニタリング機器は、温度マッピングの結果に従って適切な場所に設置されていないこともあるようです。
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■ ここでは、当社が提案しているモニタリングシステムの一例をご紹介します。このシステムは、「物理層」「データ収集」「監視」「データサーバー」で構成されるモニタリングシステムになります。
※ このように、温度などを検出する物理層には、有線タイプ・無線タイプなど現場の状況にあったモニタリングシステムを構築することができますので温度マッピングで測定が必要になった箇所に見合ったセンサーを設置できるようになると考えます。
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▼ 保管設備の適格性評価や温度マッピング/温度モニタリングの課題もコチラからご相談していただくこともできます。
※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。