第624号 計測機器のキャリブレーションにおける誤差の取扱いについて
キャリブレーション結果の誤差の取扱いは難しい?
> 当社にはキャリブレーションの進め方などのお問い合わせの中にはキャリブレーション結果の誤差の取扱い方についてお話をいただくことがあります。
■ 今迄のメルマガにおいても、キャリブレーション結果としての誤差の取扱いとして誤差の調整などについてお届けしてきました。
しかし、実際の現場では、このような調整以外にも重要なことがあるのではと思い考えてみました。
誤差には調整以外にも重要な取り扱い方がある
> この表は、以前のメルマガで調整についてご紹介したものに一部追加したものです。
例えば、
① キャリブレーション結果が判定基準値を超えたら調整を行う
② それとも、判定基準値の一定割合を超えた場合は例え判定基準値内であっても調整を行う
等々
■ このように調整が日常的に実施されていると思われますが、③の様に大きく外れた場合の対応を考える必要があると思われます。
(③のような測定値などの外れを判断する基準を「管理基準値」と仮に呼びたいと思います。)
管理基準値を超えると大掛かりな対応が必要となる
> この管理基準値を超えると、この設備で製造された製品には品質に問題があると想定されるため製薬メーカでは決められた対策をスピーディーに実施することになると考えられます。
例えば、
・その誤差がどの程度品質に影響するか
・キャリブレーションに使った標準器の誤差とか
などを詳しく調査することになります。
※ これらのデータがどれぐらい品質に影響するのかを論理的に判断することになり極めて多くの労力が必要なことが想定できます。
製品品質の維持には誤差の取扱いが重要!
> このように、キャリブレーションで得られた誤差には、「判定精度値を基準とした調整」や「製品品質に影響するような大きな誤差の取扱い」など製品品質の維持に重要な要素(判断材料)が含まれています。
■ 他にも、誤差の変化量の大きさや誤差の推移などのデータから、対象機器のオーバーホールや交換時期を予測したりすることも可能になると考えます。
※ 当社としては、キャリブレーション、バリデーション(適格性評価)の専門企業としてデータの様々な使い方も提案したいと考えています。
▼ キャリブレーションの進め方についてもコチラからご相談していただくこともできます。
※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。