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第625号 キャリブレーション(校正)手順書の記載事項と内容は力量に合ったものを

キャリブレーション手順書にはどんな項目を記載したら良いか?

> GMPにおいてはキャリブレーション手順書維持管理することが求められているがそもそも手順書にはどのような項目、内容を記載したらよいのかというお問い合わせをいただきます。

■ 令和4年4月28日に厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課より事務連絡された、2022年版のGMP事例集では次のようなQ&Aが記載されています。

GMP10-34(校正記録)

[問]GMP省令第10条第9号の「計器の校正」については、どの計器をどのような方法により校正すればよいのか。・・・・・・

[答]以下の点を確実にすること。

1. 計器のリストを作成し、校正の必要な計器、校正方法、校正頻度等について、計器の種類、特性、使用目的、使用頻度により、製品の品質確保への悪影響に起因するリスクを勘案し、製造業者等として定め、少なくとも製品の品質に影響を及ぼしうる計器にについては校正を実施すること。

・・・・・・

このように製造工程(保管を含む。)に係る計器について、校正方法を定める様になっていますが、具体的にどんな項目・内容を決めたらよいかが示されていないことが分かります。

※ 今回は、実際に製造現場で使われていた手順書の実例を比較しながら、記載事項や内容を考えたいと思います。

実際のキャリブレーション手順書では同じような項目になっている

> 実際に使用されているキャリブレーション手順書(SAMPLE1、SAMPLE2)を調べてみました。

⇒ この「SAMPLE1」「SAMPLE2」や矢印を見比べてみると、「SAMPLE1」には『必要書類』と『調整』の欄が余分に記載されていることが分かります。

■ しかし、この項目はキャリブレーション作業には直接関係がないため、キャリブレーション(校正)手順書には「SAMPLE1」と「SAMPLE2」とも同じような項目になっていると考えます。

キャリブレーション手順書の項目は同じだが、内容はどうか?

> キャリブレーション手順書では、キャリブレーション実施者理解が出来て手順書通りの作業が実施できることが最も重要なことと考えられます。

■ それぞれの内容については、ノウハウと言うことで細かく記載できませんが、どんな感じの内容になっているかご紹介します。

【SAMPLE1】

✔ 恒温槽をテストポイントの下限温度に設定します。
✔ 標準 RTD を槽に入れ、安定させて、関連する校正テスト シートに示された温度 (℃)を記録します。
✔ 温度エレメントを槽に入れ、安定させます。

【SAMPLE2】

✔ 恒温槽の電源を投入し、校正点に昇温/降温する。
✔ 標準器(デジタル温度計)、被測定器の電源を投入する。
✔ 標準器(デジタル温度計)、被測定器(測温抵抗体)を恒温槽に設置する。

⇒ これらは、温度センサの校正方法の文頭に記載される内容で、同じような書き方になっていますが、【SAMPLE1】の方が具体的な作業が分かり易く書かれていることが分かります。

※ このように、キャリブレーション手順内容にはそれぞれの会社の考え方や状況によって違いがあるように感じられます。

キャリブレーション手順書の内容は実施者の力量に左右される!

> 今回のSAMPLEでは同じような手順でありながらキャリブレーション手順書の内容に差があります。

その理由のひとつは、キャリブレーション実施者力量に左右されるためと考えます。

例えば、キャリブレーション対象の計器の原理や構造を知っている人と知らない人では同じ手順書の理解度が違うことは容易に想像できると思います。

⇒ 従って、どのレベルの力量を対象にした手順書にするのかが重要になってくることになります。

■ 実際の現場で使用されるキャリブレーション手順書は、手順書があればよいというのではなく、このようなキャリブレーション実施者の使い易い手順書を維持管理していることが重要と考えます。

キャリブレーション手順書についてもコチラからご相談していただくこともできます。


※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。

最後まで、お読みいただき有難うございました。