第629号 PIC/S GMPで求められているモニタリングとは
モニタリングに対応する方法がわからない
> お客様より「実質的な国際基準になっているPIC/S GMPに「モニタリング」の言葉が複数出てくるがどの様に対応すればいいのかわからない。」この様なご相談を受けることがあります。
※ そこで、今回はPIC/S GMPの「モニタリング」に対応する方法例をご紹介したいと思います。
PIC/S GMPのモニタリングを要求しているポイント
> PIC/S GMPでは「モニタリング」と記載が複数あります。
当社が考える重要な要求ポイントは次のように思います。
全般事項
2.9 製造部門及び品質管理部門の長並びに……
(ii) 製造環境のモニタリング及び管理
(viii) 原材料及び製品の保存条件の指定及びモニタリング
貯蔵区域
3.19. 貯蔵区域は、良好な保存条件を確保するよう設計又は構成すること。特に、当該区域は、清潔で湿気のない状態とし、許容される温度限度値内に保守管理すること。特別な保存条件( 例えば温度、湿度)が求められる場合は、それら条件を規定し、チェックし、モニターすること。
PIC/S GMPガイドライン パートⅠを参照(2023年2月現在)
! この様に「貯蔵区域」や「原材料」「製品」には保存条件(温度、湿度など)のモニタリングや製造環境のモニタリングが求められています。しかし、この要求の中にはモニタリングの具体的なやり方が記載されていないことがわかります。
モニタリングの具体的な方法が示されていない
> そこで、ここでは環境モニタリングシステムの一つをご紹介致します。
各センサで計測した温度、湿度などのデータを収集し監視、記録するシステムになります。この様なシステムを構築することで貯蔵区域、保管施設の温度、湿度や製造環境の微粒子や空間差圧の状態をモニタリング(監視・記録)することが可能になります。
システムの導入だけでは完成しません
> 現実には、このような環境モニタリングシステムの導入しただけでは規格要求を完結したことにはなりません。
システムにはバリデーションが必要で、IQ(据付時適格性評価)やOQ(運転時適格性評価)さらにコンピューターに関するバリデーションや各種センサーが精度内であることを確認するキャリブレーションが必要になります。
▼ 「モニタリングの課題や既存システムのバリデーションにお悩み」についてもコチラからご相談していただくこともできます。
※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。