温度マッピングはGMPとGDPで求められています ~第637号 ~
夏季に備え、温度マッピングの御依頼が急増しています
> 夏季の暑い時期に備え、4月から5月頃には「温度マッピング」のご依頼が急増します。
お客様に温度マッピングの目的をお聞きするとGMPとGDPの2つの規格で温度マッピングが求められていることがわかりました。
⇒ そこで今回はなぜ2つの規格で温度マッピング求められるのかを調べてみました。
2つの規格が求める温度マッピング
> GMP、GDPそれぞれで保管に対して保管条件の管理が求められています。
それぞれの当社が重要視する要求ポイントは、以下の通りです。
■ GMPの要求ポイント
GMP「バリデーション指針」
(1)バリデーションの目的等
「製造所の構造設備並びに手順、工程その他の製造管理及び品質管理の方法が期待する効果を与えることを検証すること」
(2)バリデーションにより検証する事項
・・・中略・・・
③ 製造工程(保管を含む。)
医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令の一部改正について(令和3年4月28日)
つまりGMPでは、検証する対象の中に「製造工程(保管を含む)」が含まれており、保管庫もバリデーションの対象となります。保管に対しても期待する効果を与えることを検証することが求められています。
■ GDPの要求ポイント
GDP「第3章 施設及び機器」
3.3.2 保管場所の使用前に、代表的な条件下で初期のマッピング実施すること。
温度モニタリング機器は温度マッピングの結果に従って最も変動が大きい位置に温度センサーを配置するように設置すること。
リスク評価の結果による重要な変更に際しては温度マッピングを再度実施すること。
PIC/S医薬品の適正流通基準(GDP)ガイドライン日本語訳(2014年6月)
つまりGDPでは、温度マッピングの結果に従い、温度モニタリング機器を設置し管理することを求めています。
⇒ この様に保管に対して温度マッピングを行う目的に違いがあることがわかります。
それでは、GMPとGDPの温度マッピングの目的についてまとめてみます。
GMPとGDPが求める温度マッピングの目的は違うが手法は一緒です
■ GMPの目的は
「検証する対象の中に「製造工程(保管を含む)」が含まれており、保管庫もバリデーションの対象となります。保管に対しても期待する効果を与えることを検証することが求められています。」
■ GDPの目的は
「温度マッピングの結果に従い、温度モニタリング機器を設置し管理することを求めています。」
⇒ 2つの規格の求める目的は違いますが実施する手法は温度マッピングとなります。
当社ではガイドラインを参照し裏図けされた測定方法をご提案しております。
▼ 「医薬品の適正流通(GDP)ガイドライン」についても「無料オンライン相談会」からご相談していただくこともできます。
※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。