構造設備のキャリブレーション作業のリスクとコストを考えます(その2) ~ 第655号 ~
キャリブレーション作業のリスクは?
> 構造設備のキャリブレーション作業の中で、いくつかのリスクがあると思います。今回は、「温度センサ」を対象としたキャリブレーション作業のリスク要因となる「実温度を加える装置まで温度センサが届かずケーブルを延長することがある」をご紹介いたします
まず、前提として必要な構造設備の「温度センサ」の「キャリブレーション(校正)のやり方」から説明します。
構造設備における「温度センサ」のキャリブレーション(校正)の流れ
> 構造設備における「温度センサ」の「キャリブレーション(校正)」の流れは大きく3つあります。
- 温度センサを構造設備から外す(後で戻せるように挿入長を記録する)
- 外した温度センサの感温部に実温度を加える
- 温度センサを校正する(温度の安定状態での測定など)
⑵ の「実温度を加える」には基本的に構造設備とは別の熱源装置(温度キャリブレータ・ウォーター/オイルバス)が必要になります。
「温度センサ」を外しても「熱源装置」まで届かないことがある
> 高温となる「熱源装置」は安全のため周囲の床や台など安定した場所に置くため、多くは構造設備の温度センサのケーブルの長さが足りないことが良くあります。
これは構造設備の設計時に温度センサのケーブル長を据え付けられる程度に合わせて決めているためです。
よって、キャリブレーション対応として「ケーブルを延長する」のですが、このことがリスクになります。
ケーブルを延長するリスクとは?
> ケーブルを延長することにはいくつかのリスクがあります。
リスク項目 | 具体的な影響 |
---|---|
接触抵抗 |
端子の接触具合やネジの締付具合などの変化による抵抗値の変化 |
復旧 |
解線・結線により「端子の締付漏れ」や「ケーブルの付け替え違い」 |
配線抵抗 |
2線式の場合はケーブル延長による抵抗値の変化 |
そんなリスクを低減するためにはなにをどうすればよいのでしょうか?
ケーブルを延長するのではなく、あらかじめ、温度センサのケーブルを長くしておく
> ケーブルを延長するのではなく、あらかじめ、温度センサのケーブルを長くしておくことで、これらすべてのリスクが回避されます。
また、キャリブレーション(校正)の際にはケーブルを延長する必要がないため、「作業のやりやすさ」にもつながりありがたいです。
作業をやりやすくすればリスクだけじゃなくコストも低減できる!
> この「作業のやりやすさ」はお客様の「コスト低減」にもつながると考えます。
ケーブルの延長作業がなければ、段取り・作業・確認なども無くなるため、時間が短縮できます。
よって「温度センサのケーブルをあらかじめ長くしておく」ことで「リスク低減」と「コスト削減」にもつながると考えます。
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※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
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