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『清浄度』 は「温度」「湿度」と比べるとちょっと小難しい? ~ 第664号 ~

『清浄度』にちょっと感じる“小難しさ”

> 今年の新入社員も半年以上を経過し、温度計や湿度計など、当社がお客様で行う様々な「はかる」の経験をどんどん重ねています。心なしか表情にも自信も見えてきました。

新入社員は校正サービスに従事する機会が多く、単一の物理量の計器同士を比較する作業をこれまでしてきています。例えば、温度計なら温度、湿度計なら湿度、電子天秤なら質量、、、といった具合です。比較的なじみ深い物理量ということもあり、すんなり理解が進んでいるように感じます。

一方で、教える側からすると、バリデーション作業での測定に関しては伝える事の難しさを感じることがあります。特に『清浄度』はどういったことを指すのか、漢字の意味から何となくキレイさを表すもの、とイメージは伝わります。しかし“測定結果とその評価”については理解しにくく、小難しいと感じてしまうようです。

「温」「湿」の校正とはちょっと違う『清浄』の評価

> 『清浄度』は一定面積や一定体積中に含まれる微粒子など汚染物の大きさ・個数でキレイさ具合を表します。

例えば、クリーンルームの場合『清浄度』は部屋を含めた空調システム全体の性能を表す指標です。
パーティクルカウンタ(微粒子計数器)を用いて、部屋の空気中の微粒子径ごとの個数を測定します。

良しあしの評価の基準は『微粒子径0.3μmが〇個/m3以下かつ、微粒子径0.5μmが〇個/m3以下』といった複数の“微粒子径と個数”で示されます。この複数の測定結果(微粒子径、個数)で評価をする点が、温度や湿度と異なり小難しく感じる要因の一つと思います。

加えてお客様との会話に『清浄度クラス』、『グレード』といった専門用語が加わります。しかも清浄度クラスはISO、JIS、慣習(米国連邦政府規格の、さらに新/旧)など、会話で出てくる規格も様々で、この点が小難しさにとどめを刺します。

 小難しく感じる理由: “清浄度”に関する基準と呼称が様々
 ・ISO規格(ISO14644) → ex. ISOクラス5
 ・JIS規格(JISB9920) → ex. 清浄度クラス5
 ・米国連邦規格(USA Fed.Std.209D) → ex. クラス100
 ・米国連邦規格(USA Fed.Std.209E) → ex. クラスM3.5
 ・PIC/S GMP annex1 → ex. グレードB

学びと経験の繰り返しで、徐々に「わかる」に

> 『清浄度』が測定対象にしている微粒子は通常見えず、多いか少ないかの具合もほとんどの人には感知できません。清浄度を学生時代に扱わないため、馴染みがないのも小難しく感じる理由の一つと思います。

しかし、基本を知る学びと、お客様の工場での実地の経験との繰り返しにより、理解が深まり、知識が「馴染み」「わかる」になっていくのは皆さんご存知の通りです。

今後も、地道な社員の力量upを通じ、安全・確実な作業の提供をしてまいります。

「清浄度」についても「無料オンライン相談会」からご相談していただくこともできます。


※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。

最後まで、お読みいただき有難うございました。