『0.1 秒』=コンマ一秒、ってよく考えたら変では?(小数点) ~ 第676号 ~
『0.1 秒』=コンマ一秒、ってよく考えたら変では?
> 短距離走やカーレースなど、フィニッシュが僅かな差の場合に『差は僅かコンマ1秒!!』などと表現されます。
特に違和感ないですし、日常的にもわずかな時間の事を『コンマ1秒』などという事もあります。しかし、時間を測る校正やバリデーションの許容値が『0.1 秒(s)』の場合、口頭では『れい てん いちびょう』と言います。もちろん、成績書でも『0.1』と小数点は点(ピリオド)で記録します。
ご存じの通りコンマは『,』で、小数点で日常的に使う『.』とは違います。理由については知識として知っていた内容だったのですが、違和感なく使ってるのってちょっと面白いかも?と思ったので、小数点の区切り文字についてご紹介します。
小数点として『.(点)』も『,(コンマ)』もルール上はアリ
> ご存知の方もおられると思いますが、小数点を表す場合『0.1(点の区切り)』も、『0,1(コンマの区切り)』のいずれでも問題ないことになっています。というか、国際単位系(SI)では下付きの点かコンマの“いずれかでなければならない”となっています。
わざわざ“いずれかでなければならない”とあると他に何があるの?と思われるかもしれません。実は一部の国では『・ (中黒)』を小数点として用いる場合があるようなのです(!)。
小数点の区切り文字は国や文化により異なり、“点” はイギリス式、“コンマ”はフランス式とされています。
なお、JIS自体(規格票)の表記では“.(点)”を用いるルールになっています。また、対応国際規格の表など対象の数値や数式をそのまま転載する場合は、注記したうえで“,(コンマ)”を使うこととなっています (JIS Z 8301:2019)。
日本 | イギリス式 | フランス式 | JIS Z 8301:2019 | 国際単位(SI) |
---|---|---|---|---|
.(点=ピリオド) |
.(点=ピリオド) |
,(コンマ=カンマ) |
.(点=ピリオド) 対応国際規格の表など対象の数値や数式をそのまま転載する場合は、注記したうえで |
.(点=ピリオド) |
『.(点)』『,(コンマ)』『・(中黒)』実は、どれも身近で使ってます
> 日本は数字の書き方がフランスから導入(=コンマ)され、その後イギリス式(=点)に切り替わったようです。なので、現在日常的に見る小数点の表記は点ですが、口頭でコンマと聞いても違和感がないのかもしれません。
実は、途中で挙げた『・(中黒)』も小数点として実は身近に存在しています。しかも日本で。わかりますでしょうか?
答えは“三・一四”のように漢数字を用いる場合です。
横書きではなかなかイメージしにくいですが、新聞などで気圧や降水量などが縦書きされている場合に使われているのを見ることができます。
日本で『0,1』を見たら0と1の独立した数字2個かな?等と思いますが、小数点一つとってみても、国や文化で使い方に違いがあるのは面白いと思います。
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